今、山梨県の山奥に4(一時預かりを含む)の老犬たちが残されています。
かつて400頭の犬がいるとメディアで話題になった山梨県犬の多頭飼育現場。
私たち帝京科学大学の学生は現場の犬たちの里親を探しております。
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グリーンの死因

こんにちは。
あけましておめでとうございます。
3年の青芳です。
小林さんの了承を得まして先生がご指導の下、グリーンの死因を究明するために
解剖をさせていただきました。
今回、死因の可能性となるものが分かりましたので、ご報告させていただきたいと思います。
グリーンの死因の大きな原因は、右の肺の肺炎と炎症による出血からの肺血症でした。
右の肺機能が完全に失われ、左の肺のみが機能をしていたようです。
また脾臓も肥大と出血を起こしていて、機能が低下しておりました。

肺炎、肺血症の原因を究明すべく大学にサンプルを持ち帰り、菌やカビ、ウィルスの培養を行いました。
その結果、放線菌という真菌(カビ)が原因だということが分かりました。

放線菌とは、自然界に普通に存在する菌です。
人の口腔内にも普通にいますし、土壌にもいたりします。
健康であれば、何も障害を起こさない菌です。
近年では、抗生物質が普及して症例も減少傾向にあります。

なぜグリーンが放線菌症を患ってしまったのか、ご報告させていただきます。

まず、グリーンは老齢か何かの原因で免疫力が低下していました。
そして、放線菌が何らかのルートで肺に入り定着しました。
本来は、免疫機能のマクロファージ(白血球)が退治してくれるのですが、
グリーンは免疫力が弱かったためマクロファージの力がなかったと推測されます。

力がないのでマクロファージは放線菌の周りに集結し結束して取り囲みます。
そして放線菌を窒息死させようとします。
ドーナツの真ん中に菌がいるようなイメージですかね。

しかし放線菌の力の方が強かったため、結束したマクロファージの間をぬって
枝状に菌が増殖していきます。
そこにまた、マクロファージが集結し始めていきます。

この行程が繰り返され、肺の表面に1つの大きな結節(約1cm)となります。
結節は、肺にとっては必要としない異物ですので、炎症を起こし始めます。
そして炎症がひどくなると肺血症を起こします。

今回グリーンは、このような形で放線菌症を患ってしまったと考えられます。
脾臓が肥大と出血をしたのは、肺に免疫を働かせるためにマクロファージを生産したのですが
菌の増殖に追いつかないために起こりました。

肺と脾臓以外の臓器は、しっかりと機能しておりましたので、
考えられる大きな死因は右の肺と脾臓の機能低下によるものという結論になりました。

放線菌は、自然界に普遍的に存在する普通の菌です。
つまり、予防対策することができず、わんこ達の体の強さに任せることしかできません。


今回、小林さんに死亡解剖をしたいと申し出た理由といたしましては、
多頭飼育現場は公衆衛生上、問題となりうる疾病が多く存在します。
もしかしたら、今まで同じ原因のウィルスや疫病が蔓延しているかもしれません。
それを発見し、他のわんこ達にうつらないように防ぐためというのが大きな理由の1つです。

また少しでもわんこ達の死因が分かれば、死ぬ間際にどんな辛さがあったか
お線香をあげ祈るときに気持ちを和らがせることができればいいなと思っております。

「亡くなったわんこのお腹を開けるなんて・・・」と思われる方も多いと思います。
毎週通い続けている僕も思い入れのある現場の子達を見ると大変辛いです。
辛いですが、他のわんこ達にうつらないように少しでもその亡くなったわんこの辛さを
分かってあげるために必要なことだと考えております。
もちろん術後は、きちんとお腹を縫合して供養させていただいております。

何卒、ご理解いただけたらと思います。
長文失礼いたしました。



2012年度も学生一同、わんこ達のために現場改善、譲渡斡旋を尽力していきたいと思います。
今年度もよろしくお願いいたします。

動物の命の大切さを考える部「SWEET HEART」
ペット問題班 多頭飼育問題改善活動班 3年 代表 青芳 賢

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何時も犬達のお世話を有難うございます。

亡くなった子の死因を調べて上げる事大切な事だと思います。
私も交通事故(多分)で死んだ猫の死因を知る為に
頭蓋骨を手のひらに乗せて、写真を撮り、獣医さんに
見て貰いました。。(火葬場で頭の骨の前半分が砕けていると言われたので)
友人達は、”ええ~”と驚いていましたが…

その子が逝った時の辛さや痛さも解って上げたいと思います。

病気で逝ったのであれば、残っている仲間達の為にも、本当に大切な事です。
グリーンちゃんは、ちゃんと解ってくれていますし、空の上から
最後の最後に、仲間達の役に立てた事を誇りに思っていると思います。

これからも他の子達のために頑張ってください。
どの子達も幸せな日々を過ごして欲しいと願っております。

ここまでワンズの事をかんがえておられて・・・・頭が下がります。
そして 山奥に居ても、小林様、学生の皆様、現地にお手伝いに行かれている方々
ブログを見守っているかたがたの愛情に包まれて 彼らは今 孤独な存在ではなく
幸せなのだ・・・と思えます。

冷たいお水で 痛い思いをしながらお皿を洗う皆様。本当にありがとう。
皆様も どうかご自身のお体も大切に。

グリーンちゃん ありがとう。
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