今、山梨県の山奥に4(一時預かりを含む)の老犬たちが残されています。
かつて400頭の犬がいるとメディアで話題になった山梨県犬の多頭飼育現場。
私たち帝京科学大学の学生は現場の犬たちの里親を探しております。
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四年間を経て。

ブログをご覧のみなさま、お久しぶりです。
4年生の大林です。
三年前、多頭現場の犬「せいこ」を引き取った者といったほうが、
みなさまのご記憶に残っているでしょうか?? (^。^)

一年生のころからこの多頭現場に関わりだして早くも四年が経ち、
私も卒業となってしまいました。(諸事情によりまだ大学にはいますが)

そこでこの度は、私が卒業にあたってこの四年間の活動で感じたこと、
多頭現場のせいこを引き取った後の暮らし、みなさまに伝えたいことをこの場を借りて
書かせて頂きます。少し長くなりますが、最後まで読んでいただけたら幸いです。
まず、実際に現場に来られた方や、長くブログを拝見されている方なら
わかっていただけたと思いますが、私たち学生が関わっているこの多頭飼育現場というのは、
あまり良い環境ではありません。
もちろん、小林さんや学生の愛情を注がれてきちんと面倒を見られているという見方をすれば、
飼いっぱなしの犬よりは幸せなのかもしれません。
(本当のイヌの幸せはイヌに聞いてみないとわかりませんが…)

しかしながら、冬は雪も激しく、夏は耐えれない暑さ、虫なども随時湧いてきますし、病気などが分かっても治療が困難な状況であることも多々あります。そのため、亡くなっていく犬達もいます。
やはり、一般の家庭で穏やかに暮らしてもらう方が、犬も快適だと私は思えます。

そんな中でも、犬達のためにと身を削ってまで尽くしてくれている小林さんをはじめ、ボランティアの方々、支援者のみなさん、そして学生一同と、多くの方々が現場を改善しようと努力しています。

私が多頭現場に関わりだした一年生の頃、現場にいる犬は120頭でした。
そのときは、恥ずかしながらも犬の名前を一頭一頭を覚える余裕などありませんでした。
そして今現在、犬の頭数はその半数を切っています。

もちろん、譲渡によって現場を去った犬達もいますが、大半は高齢や病気による死去でした。

動物が死ぬとういうのは当たり前のことです。しかし、わかっていても、やはり喪失感はあります。

さらに恐ろしいのが、その「死」に慣れてしまっている自分です。
もちろん、今でも悲しさはありますが、「あぁダメだったか・・・」という、どこか無力感に近い、諦めに近い感覚になっていってしまったのも事実です。

それでも小林さんは最後まで愛情を注ぎ、学生は花を添えて、
次にやるべきことに向かって歩みだしていくのです。

私がこの現場で学んだことの一つは、「生きる強さ」だと感じております。

「目の前の捨て犬を助けたところで、世の中には捨て犬がごまんといるんだから無駄だ」、
「結局、自分がやりたいと思ってるからやってる偽善やエゴでしょ」という話も、聞こえてくることもありました。
周りの人に多頭現場の話をしても、「へぇ、イヌ好きなんだ」くらいで終わってしまうこともありました。

それでも、現場の犬達と向き合う「人間」の強さ、そして過酷な状況でも生き抜こうとする「犬たち」の強さ、この身をもって知ることができました。

私も偉そうなことは言えません。ただ月に二回ほど現場に赴いているだけの、いち学生です。
それでも、私はこの現場から学べたことは大きく、偉大だっだと思えます。


そしてもう一つ、この現場から得たかけがえのないものは、
「せいこ」です。

せいことの出会いは過去のブログに書いてありますが、
本来は一時預かりのつもりでウチに連れて来ました。
しかし、あまりの人に慣れてなさすぎたために、譲渡は難しいと考えておりました。
けれども、月日を重ねるごとに、せいことの距離が縮まっていることを感じたため、
私は、「この犬とどこまで距離を縮めることができるのだろうか」という意味も込めて、
引き取ることを決意しました。

最初は、不安だらけでした。まず、人に慣れていない犬を慣らすマニュアルなんてどこにもなく、
学校でも教えてくれないからです。
そんな手探りの中、ゆっくりと時間をかけて、アプローチをしかけました。
ときには噛まれたこともありました (x_x;)
怒りたくなったときもありましたが、そんなことをしてもせいこはさらに怯えるようになるだけだと、
自分の注意不足を責めました。
どんなエサが好きなのかを試すため、色んなものをあげました。(その中でチーズが一番だったみたいです)
慣れさせるために、実習やドッグランにも連れて行ってみました。(やはり最初はビビってましたが)

そんなかいあってか、今ではだいぶ感情を表すようになり、ようやく「犬らしく」なりました♪

最初は、人の手からエサを食べなかったせいこも、今では自分からねだるようになったのも、
私にとっては大きな進歩でした。
散歩中も、知らない人に自分から近づくようになりました。

「エサを食べたくらいで…」と思うかたもいらっしゃるかもしれません。
また、ブログで人馴れの様子を見て、「何でこんなに進展しないの?」と思われるかともいるかと思いますが、
みなさまが思っている以上に多頭現場にいる犬達との距離を縮めるのは、至難なことなのです。
下手に無理やりやってしまうと、噛まれたりさらに人間不信になったりもする危険もあります。

「社会化不足」という言い方もできますが、何年間も犬舎にいて人と接することのない犬が、いきなり人と仲良くしろなんてのは無理な話です。
人間でいえば、言葉も通じず、巨大で、何をするのかわからない宇宙人と一緒に暮らしなさいと言っているようなものです。

そんな犬達と距離を縮めるのは、時間のかかることです。(もちろん、順応性の高い犬もいますが)
しかし、ゆっくりと時間をかけることは、犬達に残された時間も少ないため、志半ばで去っていく犬もいました。

そんなジレンマの中、私たち学生は取り組んでいますので、みなさまどうか暖かい目で見守ってください。

この多頭飼育現場は、とてつもなく大きな問題で、そして「命」がかかっているたいへんシビアな現場です。
こんな問題に、こんな状況に、学生が関わっていいのかと悩むこともありましたが、
そんなことを悩んでる間にも時間は進んで行ってしまうのです。
簡単に解決できることでもなく、問題を長引かせているだけかもしれません。
しかし、それでも感情に嘘はつけません。

この多頭現場において多くの方々が関わってきました。
現場を去っていく人達もいれば、新しく現場にやってくる人もいます。

学生も、卒業して去る人もいれば、新たに入学してこの多頭現場に関わっていく人がくると思います。

そんな時の流れに身をまかせつつ、この多頭飼育現場の行く末を見守っていきたいと思っております。

このブログをご覧のみなさまも、この多頭現場に興味をもっていただきありがとうございます。

そして、これからも応援、よろしくおねがいします。

最後に、卒業までの目標だった、「せいこの抱っこ」が達成できた写真を載せます。

DSC_0073.jpg

まだ緊張している感じがしますが、念願でした☆


では、またどこか(・∀・)ノ

四年 大林
(次年度から修士一年になります)

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ご卒業おめでとうございます。

四年間本当にお疲れ様でした。「生きる強さ」私も野良猫保護
等の活動を通して、同じ事を感じました。

どんなに辛くても痛くても、自ら命を絶つ事ができませんから、
命尽きるまで、精一杯生き抜きます。その姿は強く時に切なく・・・
動物達から学ぶ事は沢山ありますね。

久しぶりのせいこちゃんの登場嬉しいです!しかも抱っこさ
れてる!!び、び、びっくり!

ここまでになる迄は、色々大変な事もあったようですが、
良かったですね。おめでとうございます。前回の洋服姿も可愛かった
けど、こういう姿実にいいですよ!大林さんの思いがせいこちゃんに通
じて、精神的にもどんどん成長しているのですね。

信頼関係を築く為にどれだけ大変か、こちらのブログを読んでよく
わかりました。(私も猫では苦労していますが^^;>
なついていないワンちゃんを預か事、大きな決断でしたでしょう。
ご家族の方の協力にも感謝です。

素晴らしい記事をありがとうございます!感動しました。
また可能であれば、是非せいこちゃんを写真をUPしてほしいです。



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